とどろき豆太郎グッズはこちら
![誕生秘話](img/mame_btn2.gif)
こいつは一体なんなのか?
名前は『とどろき豆太郎』。名付けたのは高校時代の友人、S君である。
1984年、僕は高校のバンド仲間三人で上京。当時僕たちは四畳半一間に三人で住んでいて、働きもせず毎日ブラブラしていた。ある夜、酔っぱらって歩いていると、ゴミ置き場にクマや猿のぬいぐるみと一緒にこの人形が捨てられていた。僕らは「なんだこれ、気持ちわりぃ」とこの異様に足の長い人形を持ち帰った。
「なんでこんなに足長いだか?」などと遊んでいたら、手が組めるようになっていて、膝を抱えることに気がついた。どういう経緯か忘れたが、S君が眉毛を描いた。ベビーキャップを脱がしてみると耳がなかったので耳も描いた。何も持ってないのも可愛そうだというので手のひらにウンコも描いた。発見当初は女の子だったがそこで男の子として生まれ変わった。豆絞りガラのシャツを着ていたので豆太郎と命名。後に、人々がせつなさと愛おしさを抱く不思議な存在となる『とどろき豆太郎』が誕生した。
その後、豆太郎は『青ジャージ』のライブに参加するようになる。いつも原めぐみさんのキーボードの上で膝をかかえていた。たまに忘れたりすると「あれ、今日豆太郎は?」などと人から聞かれ、その存在を確かなものにしていった。
そんな豆太郎だが、毎回ライブに持っていくのも面倒くさくなり、「ワンマンの時だけにしようか?」なんていいながらいつしか忘れ去られ『800ランプ』活動停止とともに原さんのキーボード保管倉庫で長らく眠ることとなる。
時は流れて2007年の夏。原さんの引っ越しパーティーへ行ってみると、真新しい畳の上に豆太郎が座っていた。すっかり忘れていたのと、ずいぶん薄汚れていたのとで、なんとなく可愛そうになり、原が酔っぱらったすきにこっそり誘拐した。家に帰り、洗って脱水機にかけてみたら少し太ってしまった。一時は原家と小倉家の親権争いにまで発展した。
SNS上に写真をのせてみると、気になる存在としてふたたび人々の注目を集めはじめた。オグラライブに出演し、サントラ盤CDも制作された。ブロマイド、シール、ピンバッヂ、手ぬぐいなどのグッズも売り出された。
そんな中「豆太郎の原型はこれではないか?」と知り合いのお店の人が「ポーズ人形ヒロちゃん」をプレゼントしてくれた。
色は緑色だが確かに同じ形態だ。しかし、顔も表情も体つきも随分違う。やはり眉毛を描かれ脱水機にかけられたことで「とどろき豆太郎」という個体が突然変異で現れたようだ。
ヒロちゃんはその後、『まむし由美』として豆太郎世界へデビュー。名前の由来はジュンマキ堂のマキちゃんが豆太郎音頭の歌詞「まむし指」を「まむし由美って誰ですか?」と聞き間違えたことによる。
豆太郎は不思議な人形で、見る人の気分によって表情が変わる。ある人にはにっこり微笑んでいるように見え、またある人には苦悩の表情にうつるらしい。当人は異常に無口なのでどんな気持ちでいるのかうかがい知ることは出来ない。写真に撮ってもそのつど顔が変わり、同じ表情を撮るのが難しいといわれている。
妻店雑貨屋の看板小僧として、カウンターの高見に座り、14億6千8百万円で売りに出された事もあったが買い手がつかず、現在はオグラレーベルの稼ぎ頭として「廻詞レコード」の事務所に鎮座。毎年行われる東京の高円寺馬橋盆踊りでは『とどろき豆太郎音頭』が踊られている。
豆太郎は何を考えているのだろう?それは誰にもわからない。豆太郎の気持ちは感じとるしかない。なぜなら豆太郎の内面はワタだから…。
末筆失礼
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